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「フェシェア!・・・・・・どこにいるの?」

「・・・・・・」 

何の返答も ・・・ 反響さえもない。無音の空間。

ここは闇の中。上も下も底も 何も見えない。

本当に真っ黒で、ギリギリ自分の手足は見えるようだ。

「ファー!!どこにいるの・・・。」

私は無意識に愛称で叫ぶ。

涙を流しながら”叫ぶ”

    ふわっ

突然 何か暖かい空気に包まれた。

それと同時に”声”がした。

「シェア、ここにいるよ。シェア。」

「ファー!!?」

・・・・・・何も見えないけど・・・・・・。

・・・もう涙は止まらなかった。

「シャリエ?どうしたの?シャリエ?」

一息ついて

「シェア。どうしたの?シェア?」

・・・くすぐったくなるような 落ちつく声がする。

 

私は光の中にいた。

すごく眩しいくらいの、光の下に。

「シェア、起きたの?」

私は微笑み返す。

「どうかした?シェア。さっきは苦しそうだったけど・・・・・・。」

私は首をかしげる。

「うん?覚えてない。」

とても明るく、そう答える。

「そう?ならいいけど。」

 

  ファー これは愛称、きちんとした名前はフェシャアって言うんだけどね。

ファーはキッチンに入っていった。

食事の準備の途中だったらしい。

私が、苦しそうだったから近くにいてくれたみたい。

     何か 私は忘れてしまっている。何か、とてつもなく恐い夢だった感じはあるんだけど。

 

カチャ カチャ・・・カチャ

「・・・」

食事の途中でファーが話し始めた。

「シェア?さっき何の夢を・・・」

「忘れちゃったよ。夢なんて、そんな覚えてられないし。」

「そう・・・だよね・・・。」

私はファーをさえぎるように受け答えをした。

そのためか・・・まだファーは迷っているような表情のままだ。

 

  はぁー。何をそんなに夢にこだわるのか・・・・・・。

 

「ねぇ!ファー 外行こう!!v」

ファーは、私が突然そんなことを言ったのにビックリしたのか、一瞬 止まったように見えた。

その隙に私は『ふわっ』と外に繋がる扉へ跳び、ドアノブに手を掛ける。

 

「だめ!!・・・・・・」

 

  え・・・?

私はファーを振り返る。可笑しなことにファーは、こっちに来ようと走っている。

スローモーションでだ。

 

扉は既に開き始めていた。

 

  あれ?・・・・・そういえばファーが前に

  『外出る時は、一緒に出ようね。』

  『扉は開けないでね。”わたし”が開けるから。』

  って言われたんだっけ?

  というか、今 思い出してもなぁー。もう開けちゃったし。。。

 

と思った瞬間

一瞬にして周りが変わった。

変わったというか、無くなった。いや、変わったとしか言いようが無い。

だって 真っ黒の闇しかないから。

「えっ!?何?これ。」

私は手元を見る。そして さっきまでフェシャアが居たところを見る。

 

どう見ても黒い。

 

暗くて何も見えない。
私には、どう見たって 世界に何もなくて ただ闇が広がっているようにしか見えない!!

私は途端に怖くなった。

 

今、私はどこにいるのか。

上も下も分からなければ、底がどこかも分からない。

とりあえず落ちてる感はないけれど・・・。

 

私は 恐怖しながら ふと気が付く。

  あれ・・・? 夢と・・・・・・同じ。

気が付くと余計に怖くなった。

 

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